【年末年始休業日】12月28日〜1月4日迄
抗悪性腫瘍薬 分子標的治療薬(抗体)
リツキシマブ rituximab
【組成】 | [妊C]【冷所保存】[生物由来品] |
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【剤形】 | 注:(10mg/mL)100mg 10mL,500mg 50mL |
【用量】 | 1回375mg/m2,1週間間隔で点滴静注.最大投与8回用時〔生理食塩液〕〔ブドウ糖注射液〕で10倍希釈 |
【特徴】 | オーファンドラッグ.遺伝子組換え型.マウス-ヒトキメラ型モノクローナル抗体.ヒトBリンパ球表面の分化抗原CD20リン蛋白に結合し抗腫瘍効果を示す.週1回,4回投与で4〜6ヵ月効果を持続 |
【適応】 | CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫.(適外)関節リウマチ,SLE |
【警告】 | infusion reaction(投与開始後30分〜2時間より出現)のうちアナフィラキシー様症状,重度の肺障害,心障害などおよび腫瘍崩壊症候群による急性腎不全,皮膚粘膜眼症候群,中毒性表皮壊死症などの重篤な副作用で死亡例.特に血液中に大量(25000/μL以上)の腫瘍量のある患者,脾腫,心機能・肺機能障害のある患者は注意.B型肝炎ウイルスキャリア患者で,治療期間中又は治療終了後に,劇症肝炎又は肝炎の増悪,肝不全による死亡例の報告.添付文書参照 |
【禁忌】 | マウス蛋白質由来製品に対して重篤な過敏症.アナフィラキシー反応 |
【薬物動態】 | (半減期)375mg/m2週1回4週投与388時間 |
【注意】 | ウシ成分を製造工程に使用.伝達性海綿状脳症(TSE)の潜在的伝播の危険性を完全に排除できない |
【相互作用】 | 生ワクチン,弱毒生ワクチン(ワクチン由来の病気発現),免疫抑制薬(感染症発現) |
【フコイダンとの 相互作用】 | 無 |
【副作用】 | [重大]アナフィラキシー様症状,肺障害,心障害.重篤なinfusion reaction.腫瘍崩壊症候群.B型肝炎ウイルスによる劇症肝炎,肝炎の増悪.皮膚粘膜眼症候群,中毒性表皮壊死症,天疱瘡様症状,苔癬状皮膚炎,小水疱性皮膚炎.汎血球減少,白血球減少,好中球減少,血小板減少.腎障害.消化管穿孔.血圧低下.脳神経症状.間質性肺炎.肝機能障害,黄疸[その他]咽頭炎,咳.血圧上昇,頻脈.悪心・嘔吐.口内乾燥.発熱,悪寒.そう痒,発疹.ほてり.頭痛,虚脱感.疼痛.浮腫.多汗.貧血.AST・ALT上昇など |
血液のがんでよく知られているものには、白血病や骨髄腫などがありますが悪性リンパ腫もその1つです。
この病気は、血液の中の白血球の一種であるリンパ球ががん化して起こります。あまり知られていませんが、悪性リンパ腫の頻度は白血病の2倍と言われており、血液のがんの中では患者さんの数が1番多いものなのです。
その悪性リンパ腫もいくつかの種類の分けられるのですが、そのうちのB細胞リンパ腫に区分される病気に効果を示す分子標的治療薬があります。それがリツキサンです。
この薬はBリンパ球だけが持っている、CD20という分子だけに働きかけがんを攻撃していくので大きな効果が得られることでも知られています。有効率は、リンパ腫の種類によって多少違ってきますが、おおよそ45〜60%程度で、従来の抗がん剤では効果が出にくいかった再発の症例にも60%くらいは効いてくれます。しかも、その効果が点滴での治療を受けてから半年から1年は持続するので、悪性リンパ腫は決して恐ろしい病ではなくなったと、薬剤師の間でもよく話題になります。
治療は週に1回の静脈内への点滴となり、これを4回行います。つまりリツキサンでの治療は、1ヶ月だけということです。
このリツキサンは世界で1番使われている抗がん剤でもあり、この薬に多くの患者さんが期待を寄せている事実が読み取れます。
副作用は、最初の1回のみかなり強く出てしまいます。ですので、リツキサンの点滴を外来で行っている病院もあるのですが、そういう場合でも1回目だけは入院して行うことが多くなっています。
発熱や体の痛み、悪寒などが強くなるので先に解熱鎮痛剤などを使っておいて、その効果が出てきてから点滴をはじめます。2回目以降の副作用は、軽く済んでしまうことがほとんどですので心配の必要はありません。