【年末年始休業日】12月28日〜1月4日迄
抗悪性腫瘍薬 代謝拮抗薬(ピリミジン拮抗薬)
フルオロウラシル fluorouracil(5-FU)
【他商品】 | カルゾナール,ルナコール,ルナポン |
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【組成】 | 【劇薬】[妊D](注)[妊X](注除く)【冷所保存】(坐剤) |
【剤形】 | 錠:50mg,100mg ドライシロップ:5% 注:250mg 5mL 坐剤:100mg 軟膏:5% 5g,20g |
【用量】 | 錠:1日200〜300mg,1〜3回分服 ドライシロップ:1日100〜300mg,1〜3回分服 注射:(1)1日5〜15mg/kg,5日間連日静注・点滴静注,その後隔日5〜7.5mg/kgなど (2)(併用療法)1日5〜10mg/kg,(1)に準じ又は間歇的に週1〜2回 (3)(併用療法)1日1000mg/m2,4〜5日間連日持続点滴 (4)(併用療法) (a)l-LV1回100mg/m2,2時間点滴静注.終了直後400mg/m2静注,さらに600mg/m2,22時間持続静注.2日間連続,2週間毎 (b)l-LV1回250mg/m2,2時間点滴静注.終了直後2600mg/m2,24時間持続静注.1週間毎6回後,2週間休薬(1クール) (c)l-LV1回200mg/m2,2時間点滴静注.終了直後400mg/m2静注,さらに2400〜3000mg/m2,46時間持続静注.2週間毎 大腸癌に関してはCPT-11やオキサリプラチン参照 坐剤:1回100mg,1日1〜2回又は1日1回200mg 軟膏:1日1〜2回塗布 |
【特徴】 | 腫瘍細胞のDNA合成阻害 |
【適応】 | [内服]消化器癌(胃癌,結腸癌,直腸癌など),乳癌.[錠のみ]子宮頸癌 [注射](1)胃癌,肝癌,結腸・直腸癌,乳癌,膵癌,子宮頸癌,子宮体癌,卵巣癌.(2)(他の抗悪性腫瘍薬又は放射線と併用)食道癌,肺癌,頭頸部腫瘍.(3)(併用療法)頭頸部癌.(4)(レボホリナート・フルオロウラシル持続静注併用療法)結腸・直腸癌 [軟膏]皮膚悪性腫瘍 [坐剤]S状結腸・直腸癌 |
【警告】 | [内服・注射・坐剤]ティーエスワン併用にて重篤な血液障害発現 [注射のみ]添付文書参照.MTX・フルオロウラシル交代療法,レボホリナート・フルオロウラシル療法は高度の危険性を伴うので投与中・後の一定期間は医師の監督下におく.頭頸部癌に対し,放射線照射併用時に重篤な副作用や放射線合併症が発現の可能性,放射線照射と癌化学療法の併用治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで実施 |
【禁忌】 | ティーエスワン投与中 |
【薬物動態】 | (半減期)(β)9〜16mg/kg静注19分 |
【相互作用】 | [併用禁忌](本剤の作用を増強)禁忌薬剤[併用注意](相互に作用を増強)他の抗悪性腫瘍薬,放射線照射.(併用薬の作用を増強)フェニトイン,ワルファリン |
【フコイダンとの 相互作用】 | 無 |
【副作用】 | [重大][共通]脱水症状.腸炎.骨髄抑制.[内服・注射のみ]白質脳症.うっ血性心不全,心筋梗塞,安静狭心症.急性腎不全.重症な口内炎,消 化管潰瘍.間質性肺炎.嗅覚障害,嗅覚脱失.肝機能障害,黄疸.[注射のみ]ショック,アナフィラキシー様症状.肝・胆道障害(動注時).手足症候群.急性膵 炎.意識障害を伴う高アンモニア血症.肝不全.[坐剤のみ]脱水症状,腸炎.[軟膏]皮膚塗布部の激しい疼痛[その他][内服・注射]食欲不振,下痢,口内炎,悪心,嘔吐.白血球減少,血小板減少.肝・腎障害.静脈炎.全身倦怠.出血傾向.脱毛,色素沈着.浮腫・過敏症状,手足症候群など[軟膏]過敏症.塗布部の疼痛,色素沈着,発赤など |
5-FUは抗がん剤の草分け的な存在の薬です。この薬の1番最初の臨床データが報告されたのが、今から50年以上前の1958年ですから最も古くから使われている抗がん剤だと言ってもよいでしょう。長きにわたって、医療の世界で5-FUが使われ続けているのは、それなりに理由があります。
1つは、過去の膨大な臨床データから、その安全性が確立されているので安心して使えるということです。確かに古くからある抗がん剤ですから、がん細胞だけでなく正常な細胞にも作用しますから、副作用の症状が出やすい薬です。
骨髄抑制(白血球や血小板などが減少すること)にはじまって、吐き気や嘔吐、口内炎や心筋虚血、尿失禁など全身的に様々な副作用が出現します。
特に消化器系に強く出ることでも知られ、下痢が起こったら脱水症状に至るまで強い症状が現れることがよくあります。
ただ、過去のデータがあるために、出現する副作用を予測することが出来るというのは薬としては強みだと言えます。だから、その副作用への対処もすぐに行うことが出来ますし、また出現しそうな副作用を事前に予防することも可能です。
2つ目は、対象となるがんの種類が幅広く、様々な症例に対して使うことが出来るということです。5-FUが使われるがんには、胃がん、結腸がん、直腸がん、乳がん、子宮体がん、子宮頸がん、卵巣がん、肝がん、膵がん、皮膚がんなど、ほぼ全身のがんが対象となります。
もちろん、これだけではなく他の部位のがんであっても、主治医の判断で様々ながんの治療に応用されます。一般的には、5-FUはおだやかな効き目なのですが、患者さんによっては劇的に効果が現れることがあります。
使い方には3種類あって、1つは連日内服、あるいは点滴を行い、医師の判断で量を減らし隔日としていく方法、1つは週に1回医師が指示した量を内服か点滴で投与していく方法、そして最後は10〜20日間連続で内服か点滴を行い、その後休薬期間を設ける方法、となります。
がんの状態や血液検査の数値などから、主治医が判断しながら使っていきます。