【年末年始休業日】12月28日〜1月4日迄
抗悪性腫瘍薬 代謝拮抗薬(ピリミジン拮抗薬)
テガフール・ウラシル配合
【組成】 | 【劇薬】 (テガフール100mg,ウラシル224mg含有) |
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【剤形】 | カプセル:100mg |
【用量】 | (1)1日FTとして300〜600mg,2〜3回分服 子宮頸癌:1日FTとして600mg,2〜3回分服(2)1日FT300〜600mg(300mg/m2を基準)を1日3回分割(8時間毎),食事の前後1時間は避けて投与.ホリナート75mgを1日3回分割(8時間毎),テガフール・ウラシル配合剤と同時に投与.以上を28日間連続投与し,その後7日間休薬(1クール) |
【特徴】 | テガフール(FT)の生体内活性物質である5-FUの分解をウラシルが抑制し,抗腫瘍効果を増強 |
【適応】 | (1)テガフール・ウラシル通常療法:胃癌,膵臓癌,胆嚢・胆管癌,肝臓癌,結腸・直腸癌,乳癌,肺癌,頭頸部癌,膀胱癌,前立腺癌,子宮頸癌 (2)ホリナート・テガフール・ウラシル療法:結腸・直腸癌(ホリナート参照) |
【警告】 | 劇症肝炎等重篤な肝障害.ティーエスワン併用による重篤な血液障害に注意(詳細は薬剤の添付文書及び関連文献を熟読すること) |
【禁忌】 | ティーエスワン投与中及び投与中止後7日以内.妊婦 |
【薬物動態】 | CYP2A6で代謝 |
【相互作用】 | [併用禁忌](本剤の作用を増強)ティーエスワン[併用注意]](併用薬の作用を増強)フェニトイン,ワルファリン.(相互に作用を増強)他の抗悪性腫瘍薬.放射線照射 |
【フコイダンとの 相互作用】 | 無 |
【副作用】 | [重大]骨髄抑制,溶血性貧血等の血液障害.重篤な肝障害.肝硬変.脱水症状.重篤な腸炎.白質脳症等を含む精神神経障害.嗅覚脱失.間質性肺炎.狭心症,心筋梗塞,不整脈.急性腎不全,ネフローゼ.急性膵炎.重篤な口内炎.消化性潰瘍,消化管出血.皮膚粘膜眼症候群,中毒性表皮壊死症[その他]血尿.食欲不振,悪心・嘔吐,下痢,口内炎.倦怠感,頭痛.色素沈着,浮腫.過敏症.胸内苦悶.発熱.筋肉痛,CK上昇など |
UFT(ユーエフティ)という抗がん剤は、経口で効果を最大に発揮することで知られる薬です。幅広いがんに効果がある上、副作用はその種類こそ多いものの出方は軽いのが特徴です。
UFTの対象となるがんは、胃・結腸・直腸・肝臓・胆嚢・胆道などの消化器のがんに加え、肺や膀胱・前立せんのがん、乳がん、子宮頸がん等になります。
がん細胞が増えるのを抑えるはたらきがあるので、がんを切除した後に再発防止のために補助療法として用いられることも多くなっています。
副作用には、食欲不振や吐き気・嘔吐、下痢や疲労感、のどの痛みや発熱などの風邪のような症状、口内炎などがあります。
また、白血球や血小板の減少などが見られることがあり、感染症を予防するよう気をつける必要が出てくることもありますが、副作用は比較的軽いので、治療中にひどく苦しいということはほとんどありません。
このUFTは、一昔前にメディアや抗がん剤を好ましく思わない医師などによって「効かない抗がん剤」の代表例のように扱われた過去があります。
世論に押された厚生労働省は、このときUFTの治験をし直しています。
結果、多くのがんに効果を発揮し「最善の抗がん剤」とまで言われるようになり、薬剤師の間でもそういう意見が一般的になっています。
今では再発の予防のためにはUFTが欠かせない存在となっています。
UFTは、近年ではロイコボリンというビタミン剤の一種と併用されることが多くなっています。ロイコボリン自体には、抗がん作用はありませんがUFTの作用を増強させることがわかり、併用されるようになりました。
UFTとロイコボリンとを併用したUFT/LV療法においては、指示された量のUFTを食事の前後1時間にあたる時間帯を避けて、3回に分けて飲みます。
加えて、ロイコボリンを1日に3回飲むようにします。
これを28日間行い、直後の7日間は薬を飲まない期間を設け、ここまでの35日間を1クールとして繰り返していきます。
飲む時間帯が難しいので最初は飲み忘れたりすることも多いようですが、何クールか繰り返しているうちに慣れていきますので心配ありません。